3 1999.5/12 - 5/25 (入院29日目 〜 入院42日目) |
ちょっと寄り道(2) 感染症の恐怖 | |
爽は入院した早い段階でMRSAに感染し、4週間隔離になってしまいました。さらに1ヶ月半後には夫が極度のストレスのため、普通あまり若い人はならない帯状疱疹になってしまい、外泊中だった爽と接触したことにより爽が水痘(水ぼうそう)ウィルスに接触しました。 水ぼうそうは小児がん治療中の子が感染し発症すると非常に重症化したり、時には命を落とすことさえある怖い感染症です。 爽はすでに水ぼうそうの予防接種もおたふくの予防接種もしていたのですが、数回の抗がん剤治療により抗体が消えてしまっていたため、またまた4週間今度は病棟内の病室隔離ではなく、監視カメラ付きの本格的な(?)『隔離病棟』に隔離され、部屋から出られない辛さを入院前半でイヤというほど思い知らされました。 治療の合間の外泊では人ごみこそ避けながらあちこち連れて行ってあげる親もいましたが、うちはそんなでしたので「好きなところへ連れて行ってあげられないのはかわいそうだけれども、感染症で隔離されるのはもっとかわいそう」と言う気持ちになっていて、外泊中もせいぜい車を借りてのドライブくらいでした。 入院後半にはさらに病棟で水ぼうそうに罹った子が出て、爽を含めた水痘の抗体がない小さい子の多くがまた4週間、病棟内の病室に隔離となりました。しかもこの時は面会に来る親たちの抗体も調べ、抗体がなかったあるお母さんは隔離された自分の子に4週間面会が出来ず、その子も「病室から出られない上にお母さんにも会えない」ということになってしまい、見ている私たちも辛かったです。結局、爽は12ヶ月の入院期間中の3ヶ月を隔離という状態で過ごさなくてはなりませんでした。 感染症で隔離されると部屋から出られないだけではなく、しなくてよかったはずの点滴をし、飲まなくてすんだはずの薬をたくさん飲まなければならなくなります。ですから退院してからも血液腫瘍科で治療を受けた親は、外来に通う時に病院内に感染症を持ち込まないように細心の注意を払います。でも日常の生活では水ぼうそうは「罹ってもどうってことのない」感染症です。それどころか近所で誰かが水ぼうそうになると、「うつしてもらおう」と言って罹った子の家へ連れて行く親さえいます。たぶんそれが「普通」であり、私も自分の子がこういう病気にならなければそんなことを言っていたかもしれません。 もしこれを読んで下さっている方の近くに小児がんの治療を受けていたり、こども病院に通っているお子さんがいるのであれば、『水ぼうそうが流行っていること』を必ず教えてあげると同時に、少なくともその親のいるそばで「○ちゃんが水ぼうそうなんだって!うちもうつしてもらおうかな」ということは言わないで下さい。退院して自然に水ぼうそうに感染するまで『水ぼうそう憎し。水ぼうそう恐怖』は続くのです。(2005.11.29) |
★1999.5.12(水) こども医療センター入院 29日目 Bランク | |
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★1999.5.13(木) こども医療センター入院 30日目 Bランク | |
AFP 700 |
★1999.5.14(金) こども医療センター入院 31日目 Bランク | |
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★1999.5.15(土) こども医療センター入院 32日目 Bランク | |
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★1999.5.16(日) こども医療センター入院 33日目 Bランク IVHカテーテル断裂 | |
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★1999.5.17(月) こども医療センター入院 34日目 Bランク | |
AFP 430 |
★1999.5.18(火) こども医療センター入院 35日目 Bランク | |
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★1999.5.19(水) こども医療センター入院 36日目 Bランク | |
[状態] |
★1999.5.20(木) こども医療センター入院 37日目 Bランク | |
AFP 280 |
★1999.5.21(金) こども医療センター入院 38日目 Bランク | |
[状態] |
12/9★1999.5.22(土) こども医療センター入院 39日目 Bランク | |
[状態] |
12/10★1999.5.23(日) こども医療センター入院 40日目 Bランク | |
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12/11★1999.5.24(月) こども医療センター入院 41日目 | |
AFP 150(↓) |
12/12★1999.5.25(火) こども医療センター入院 42日目 Bランク・IVH手術 | |
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