15    1999.11.4-11.17(入院205日目 〜218入院日目)

★ ちょっと寄り道(14) 抜けそうなIVH
爽は入院2日後の手術の時にIVH(*中心静脈カテーテル)を入れましたが、第1回目の化学療法後に断裂してしまい、もう一度手術をして入れなおしました。これ、理論上は3年〜5年くらいもつらしいです。確かに会員の中にも3年半大丈夫だったという子もいます。ただ小さい子の中には自分で引き抜いてしまった(@o@;)というすごい話もありますし(*あたりが殺人現場のようになったそうです・・・。)、爽のように入れた部分は大丈夫でも管そのものが破損してしまうこともあります。また、原因不明の感染による高熱があり、IVHが感染源ではないかと疑われる場合にはIVH自体は問題なくても一度抜去してしまうこともあります。

爽の場合は暑がりですぐに汗をかき、汗をかくと今度はIVHを保護しているフィルムのところがじくじくしてしまうということの繰り返しでしたが、入院後半はそれに加えてIVHがじわじわと抜けてくるという事態まで加わりました。すでに1回差し替えをしているので、またまた血管をつぶして差し替えるのは何とか避けたいと私も思い、ドクターも思い、看護師さんたちも思い、
「IVH、何とか最後の治療までもってくれ〜〜」
とIVHにお願いしながら皆でそっと優しく扱いつつ、治療を続けました。
そのかいあって、このIVHは退院の日まで何とか無事に抜けることなく爽の胸にくっついていました。

退院の日、この抜けそうだったIVHをいよいよ本当に抜くことになってDr.Aが処置室で処置を始めました。
するとこのIVH、抜けそうで皆をはらはらさせたくせに『なかなか抜けず!』けっこう手こずったそうです(笑)。(2006.5.27)

1999.11.4(木) こども医療センター入院 205日目 Bランク ・ 病棟内隔離 

AFP 16(→)

[状態]
骨髄抑制 ・ 下痢 ・ 脱毛 ・ 水痘隔離

[処置]
採血

[採血結果]
好中球        144                   GOT          61
白血球        1200            GPT          54
ヘモグロビン    8.1                   血小板       11万7000

○爽母
爽の外泊についてDr.Aと方法を相談する。
(*下の子の水痘の予防接種をさせることになったが、普通に小児科に行ったのでは、接種する前に待合室で水痘の子供と接触する可能性があり、その場合、爽の隔離が大幅に伸びてしまうので、下の子を個別接種してくれるよう、Dr.AがTこどもクリニックに電話して、その旨依頼してくださった。よってこの翌日、昼休みにTこどもクリニックに下の子を連れて行き、水痘の接種をしてからいったん帰宅し、その後爽を外泊させることに決まる。)

[看護記録]
発熱ないが、時々肺グー音あり、セキあり、水様性鼻汁続く。脱毛目立ってきている。
ナース訪室すると、「あっち、あっち」と指差す。
出られないこと伝えると激しく泣くが、清拭など気をまぎらわせることがあればすぐ泣き止む。
面会後、「あっちー、あっちー」と言い続けているが、母親なだめている。
本日下痢気味。
海苔が床に落ちてしまったのを食べようとして母に注意され大泣き。19時30分、入眠。

[食事]
○おやつ     オレンジジュース
○夕食       ごはん4/5杯・お茶
○おやつ     オレンジジュース


1999.11.5(金) こども医療センター入院 206日目 外泊 

[状態]
骨髄抑制 ・ 微熱 ・ 水痘隔離

[処置]
包交 ・ フィルター交換

○爽母
午前中下の子をTこどもクリニックへ連れて行き、水痘の予防接種をしてもらい、午後から爽を迎えに行く。

[看護記録]
夜間良眠。熱37度2分から3分。
笑顔で外泊に出かける。

[食事]
○おやつ     クリームパン1個・チョコレート・ラムネ菓子・お茶150t
○夕食    カレーライス(少)・パン(少)・お茶100t・カルピス100t


1999.11.6(土) こども医療センター入院 207日目 外泊 

[状態]
骨髄抑制

○爽母
特になし。
(*この頃になると、外泊しても『特になし』ということが多くなります。もともと日記をつける習慣が私にはなかったのですが、さすがに爽が入院してからは記録していました。ただ入院も200日を越えると、この状態が『私にとっての普通の日常』と化してしまっているので、またあまり記録しなくなったのかと思います。とはいっても検査結果、特にAFPは毎回記録していました。今思えば、爽のことだけでなく、下の子の様子も含めてもっと記録を書いていればよかったなあと思います。特に下の子は生まれた時に『3年連用育児日記』を買ったんですが、ほとんど真っ白です。ビデオはそれなりに撮っているのですが、書き記したものの味わいはまた格別ですヨ。)

[食事]
○朝食        パン1枚・カレー(少)・カルピス2杯・お茶1杯
○昼食        いなりずし1くち・みたらし団子2本・お茶100t
○おやつ      チョコレート・カルピス1杯
○夕食        煮込みうどん1杯・お茶50t
○おやつ      スナック菓子・カルピス150t・お茶50t


1999.11.7(日) こども医療センター入院 208日目 外泊 

[状態]
骨髄抑制

[食事]
○朝食        玉子ラーメン・お茶100t
○昼食        クロワッサン2個・ピーナツクリーム
○おやつ      クッキー3枚
○夕食      マヨネーズかけごはん1杯・お茶50t

(*『特になし』すら書いてありませんね(笑)。食事の内容は外泊記録に書かなくてはならないので記録がありますが・・。何してたのかなぁ、この日は。)


1999.11.8(月) こども医療センター入院 209日目 帰院のち外泊 

AFP 13(↓)

[状態]
骨髄抑制 ・ IVHルート発赤

[処置]
採血 ・ 包交 ・ フィルター交換

[採血結果]
好中球        322                     GOT          44
白血球        1400                   GPT           29
ヘモグロビン   7.9                      血小板        5万

[医師カルテ]
IVH発赤かなり出ている。アイテル(*膿)は(−)。ルートテンションかかったのか? 
カフの位置、少し前に出ている。(*埋め込んである部分が少し抜けてきた。この後も少し汗ばむと膿んだりすること多かった)

[看護記録]
9時45分、帰院。母より「毎年秋冬になるとアレルギーで鼻水止まらなくなり、風邪薬飲んでも効かないと思うんで中止してほしい」と。
Dr.Aに報告し、ノイチーム(*鼻水止め)のみとなる。
IVH刺入部発赤(+)・腫脹(+)。何となく以前より抜けているような感じ。滲出液(−)。
本日13時30分、外泊に出たが、毎日包交に帰ってくることになる。
ヘパ生プッシュの時など刺入部にテンションかけないよう十分に留意する。母にも説明済み。

[食事]
○朝食        パン半分・クッキー1枚・カルピス
○おやつ      チョコレート・カルピス200t
○夕食      玉子ラーメン・お茶100t


1999.11.9(火) こども医療センター入院 210日目 外泊一時帰院 

[状態]
骨髄抑制 ・ 体重11.6s

[処置]
包交

[看護記録]
11時、帰院。IVH包交。
刺入部色素沈着あり。アイテル(*膿)なし。
11時15分、外泊へ。
(*この頃は4週間の病棟内隔離の最中でしたが、外泊には行くことが出来ました。隔離は親子ともにきつかったですが、当時の病棟は各部屋を仕切る壁とドアの横が大きなはめ込みの窓になっていましたし、部屋を仕切る窓のカーテンを閉めている人もいなかったので隣や廊下の様子は分かり、それがせめてもの救いでした。新棟になってからは壁は壁だしドアも閉めれば外から見られないので、隔離になったりBランクの時は閉塞感があるようで、以前からいる人の話では「ボロくても前の病棟のほうがよかった」という声もあるそうです。爽は今年の7月に口蓋咽頭の切除術のため4、5日入院しますので、その時どんな様子なのか分かるかなと思っています。)

[食事]
○朝食        沖縄そば・お茶50t・カルピス50t (*うちは沖縄の出身ではないし親戚もいないのですが、沖縄そばが好きで物産展をやっていると買ってきて食べてました。この時期沖縄そばがよく出てくるのはたぶん『生協』でまとめ買いしたからだったと思います(笑))
○昼食        みたらし団子2本・クリームパン1くち・カルピス100t
○夕食        煮込みうどん・みたらし団子1本・いなりずし2個
○おやつ       カルピス・ポテトチップス


1999.11.10(水) こども医療センター入院 211日目 外泊

[状態]
骨髄抑制 ・ 包交

[外泊記録] ○爽母
弟(9ヶ月)が生後2ヶ月の時から入院しているせいか、「兄弟」あるいは「家族」としての認識がほとんどない。
しかも入院中のストレスを家で爆発させるので、その矛先が弟に向かうことが多い。
情緒がかなり不安定になっており、何か解決策がほしい。
(*外泊記録にあれこれ書いても、それに対する反応はほとんどありませんでした。正直言って何のために書かせているのかよくわかりませんでした。)

[看護記録]
10時45分、帰院。IVH包交。刺入部発赤軽減してきている。11時、外泊へ。
(*この包交のためだけにタクシーで往復しました。車と免許があったらなあとつくづく思いました(^_^))。

[食事]
○朝食        キャベツと玉子のラーメン・みたらし団子
○昼食        おでん(ちくわ・さつまあげ)・ピーナツバターサンド・お茶100t
○夕食      ハヤシライス3皿・チキンかつ1/2枚・お茶・カルピス


1999.11.11(木) こども医療センター入院 212日目 一時帰院のち外泊 

AFP 14(↑)

[状態]
骨髄抑制

[処置]
採血 ・ 包交 ・ フィルター交換

[採血結果]
好中球        336                    白血球        1600
血小板        3万9000             ヘモグロビン   8.3

[医師カルテ]
BM recovery (*骨髄の回復)不十分。明日Plt(*血小板)輸血。
治療は来週予定だが、好中球1000以上、血小板10万以上まで(回復)待ってから。

[看護記録]
10時、帰院。10時30分、採血。12時30分、外泊へ。

[食事]
○朝食        ハヤシライス2皿・お茶50t
○おやつ      ヨーグルト・海苔・お茶
○夕食        ハヤシライス・かまぼこ5切れ・お茶50t
○おやつ      ラムネ菓子


1999.11.12(金) こども医療センター入院 213日目 帰院のち外泊 

[状態]
骨髄抑制 ・ 微熱 ・ 脱毛 ・ 風邪症状

[処置]
血小板輸血 ・ 包交

[看護記録]
12時40分、帰院。37度2分。熱感軽度、顔面紅潮(+)。カゼ症状はひどくないが、自宅にて鼻水多かったとのこと。
16時20分、ST3開始し、25分ポララミン投与(外泊のため)。
16時45分、血小板5U(*5単位)輸血開始。
スタート後、食事中急に眠り出す。(*ポララミン使うとなぜか急に眠ること多かった)。血圧84/54。
発疹の出現は認めず。17時、入眠中。
母、「前もポララミンをしたら眠っていた」と。
18時50分、目覚める。19時10分、輸血終了(115ml)IVHロック。19時30分、外泊へ。

[食事]
○朝食        玉子ラーメン・かまぼこ1切れ・お茶50t・チョコレート
○おやつ      みたらし団子・チーズ鱈3本・水100t
○昼食      のりごはん・お茶


1999.11.13(土) こども医療センター入院 214日目 外泊 

[状態]
骨髄抑制

○爽母
爽、下の子が何もしていないのに押し倒す。

[食事]
○朝食        玉子ラーメン・かまぼこ1切れ・お茶・チョコレート
○昼食        パン・お茶
○夕食        ほっけ3くち・スパゲッティ・お茶
○おやつ       ヨーグルト・せんべい


1999.11.14(日) こども医療センター入院 215日目 外泊 

[状態]
骨髄抑制

[食事]
○朝食        フレンチトースト・ヨーグルト・チョコレート
○昼食        みたらし団子・フレンチトースト・お茶
○夕食      ハヤシライス・パン・ヨーグルト・お茶


1999.11.15(月) こども医療センター入院 216日目 帰院のち外泊 

AFP 14(→)

[状態]
骨髄抑制

[処置]
採血 ・ 包交 ・ フィルター交換

[採血結果]
好中球        660                         GOT          45
白血球        2000                       GPT           16
ヘモグロビン   8.1                          血小板        14万7000

[医師カルテ]
IVH刺入部、落ち着いている。
BM(*骨髄)、次の治療にいくにはまだ不十分。木曜日の採血まで待つ。

[看護記録]
9時45分、帰院。10時、採血。
母、「家にいるとこの子赤ちゃんなんです。ずっとハイハイしているし、食事も自分では全く食べなくて、お母さん食べさせてって言うんです。下の子をいじめたり」と。病院でも以前より「お母さんと一緒に!」と言うこと多いか・・。
下の子に対する嫉妬心や入院生活のストレスによる退行とみられているが、自然な反応と受け入れていく。
13時30分、外泊へ。
(*ハイハイして哺乳瓶で飲みたがるようになったときには正直言って驚きましたし、当惑しました。病院ではずいぶんしっかりしてきたと言われていましたし・・・。でも外では彼なりにせいいっぱい頑張っていたということなんだろうと思います。家では下の子がハイハイして皆にあれこれお世話をされているのを見ていたのでうらやましい気持ちもあるのだろうと思い、これは好きにさせていました。しばらくしたら気持ちが治まったのか、ハイハイも哺乳瓶で飲むことも止めました。)

[食事]
○朝食        玉子ラーメン
○昼食        チキンかつ3くち・ハヤシライス2/3皿・お茶
○おやつ       ポテトチップス


1999.11.16(火) こども医療センター入院 217日目 外泊 

[状態]
骨髄抑制

[外泊記録]  ○爽母
赤ちゃんがえりし、ハイハイで移動し、ほ乳びんでお茶を飲む。
ファンギゾン、ヘパ生プッシュは部屋中を逃げ回り、15分もかかる(各1回につき)。
そろそろ本格的にオムツをはずしたいので、協力お願いします。

[食事]
○朝食        玉子ラーメン・お茶100t
○おやつ      チョコレート
○昼食        いなりずし2/3個・おにぎり1個と少し・お茶150t
○夕食     スパゲッティ・クリームパン・お茶50t


1999.11.17(水) こども医療センター入院 218日目 外泊 

[状態]
骨髄抑制

[食事]
○朝食        玉子ラーメン・お茶100t
○おやつ      スナック菓子
○昼食        魚肉ソーセージ1/4本・みたらし団子2本
○夕食        ハヤシライス3/4皿・みたらし団子1本・カルピス150t

○爽母
下の子、1歩歩く。
(*爽が赤ちゃんがえりしてハイハイしている時に、本当の赤ちゃんは歩行第一歩を踏み出しました。爽は小さかったせいか第一歩も1才になってからだったように思いますが、下の子は大きかったので全てにおいて爽よりも早かったです。兄弟でもずいぶん違いますね。)